長谷川雅紀さんと渡辺隆さんの二人からなるお笑いコンビ、錦鯉。今やテレビで見ない日のない二人ですが、長谷川さんは史上初の50代、渡辺さんも史上初の40代で、2021年度『M―1グランプリ』優勝を成し遂げました。「人生折り返し地点からの大逆転」と自ら語る二人ですが、特に2020年度の『M―1』で決勝進出してからは出演番組が急増したそうです。今まで見ているだけでしかなかった番組に自らが出ることになって初めて分かったこともあるそうで――。
2020年度『M-1』決勝に進出して
長谷川 今でも覚えているのは、決勝の直前に声が枯れちゃって。トローチとのど飴を、交互になめてたんだ。それを2日続けたら、舌が緑色になっちゃって。
渡辺 あれはまさに「舌だけアバター」だったよ。オレは、痛風の発作が出て、あまりにも痛くて参ったな。舞台へと階段を下りる時、真剣に手すりがあったらなと思ったもの。
長谷川 決勝でやったネタ、「CRまさのり」が出てくるパチンコ漫才は、3年くらい前に作ったよね。
渡辺 あの漫才は最初、二人で立ったままやっていた。でも、なんとなくパチンコ台の感じも出した方がいいんじゃないかなって思ってさ。
長谷川 喫茶店で打合せしていたら、隆がいきなり「ねえ、パチンコ台やってみて」って言ったんだよ。
渡辺 そうしたら雅紀さん、そのまま席を立って、中腰で、パチンコ台のポーズをやったんだよね。
長谷川 両サイドのチューリップの動き(玉が入って開閉する様子)も、見事だったでしょ?
渡辺 「CRまさのり」って言っているのに、あれじゃ、昭和のパチンコ台だよ。周りの客の目を気にしないでポーズをとり続ける雅紀さんを、5分間、笑い続けながら見てたもんね。世の中に、こんなバカなことがあるのかと思って。