「とにかく朝1回ダイヤルを合わせてもらえば、その日一日はTBSを聴いてくれる人が増える。朝8時半から始まる僕の番組は責任が大きいと思いました」(撮影=吉場正和)
2022年3月26日に、36年続いた長寿ラジオ番組『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』(TBSラジオ)が惜しまれながら終了しました。メインパーソナリティを務めた大沢悠里さんは、アナウンサー生活58年! 引退したばかりの大沢さんが、ラジオに捧げた人生を振り返ります(構成=山田真理 撮影=吉場正和)

<前編よりつづく

「1人の後ろには100人のお客さんが」

『ゆうゆうワイド』が始まった当初、東京のラジオ局ではニッポン放送と文化放送が強く、TBSの聴取率はどん底でした。一番人気は、ニッポン放送の玉置宏さんの番組。『ゆうゆうワイド』が1位になるまでには、5、6年かかりましたね。

読者の皆さんは覚えていらっしゃるでしょう。あの頃のラジオはダイヤルを回して聴いていたから、テレビみたいにちょくちょく局を替えるもんじゃなかった。ラーメン屋さんなんかだと、油でダイヤルが固まって動かせないくらい。(笑)

とにかく朝1回ダイヤルを合わせてもらえば、その日一日はTBSを聴いてくれる人が増える。朝8時半から始まる僕の番組は責任が大きいと思いました。それでラジオカーに乗ってスタジオ外から放送したり、タクシーの運転手さんに往復葉書を配って、「番組聴いたと返事をくれたら、記念品を差し上げます」なんてキャンペーンを仕掛けて、番組の宣伝に努めました。

新しい試みといえば、曜日ごとに女性パートナー(アシスタント)が替わるのも、ラジオ番組では僕が初めて取り入れたんです。4時間半の番組を毎日やるといっても、僕自身にはそこまで知識があるわけじゃない。

そんなとき、たとえば年長の内海桂子師匠が昔の話をしてくれる。また、陣内貴美子ちゃんなら、元バドミントン選手だからスポーツ分野に詳しい。僕もゲストも話に入りやすいし、盛り上がるんですね。