57歳の主婦・島貫さんはレジ袋を溜めこむのに必死ですが、子どもたちから向けられる視線は冷たくーー。(イラスト:堀川直子)
2020年7月より始まったプラスチック製のレジ袋有料化。レジ袋については、すでに世界の多くの国が使用を禁止したり、有料化を義務付けたりしている一方、日本はそうした対応が遅れていると指摘されていたこともあり、政府主導にて進められた取り組みでした。自らを”セコい”と認識している57歳の主婦・島貫さんは「有料」と聞いて、レジ袋を溜めこむのにますます必死。でも子どもたちはそんな島貫さんに冷ややかな視線を向けてーー。

地道にためたレジ袋が忽然と消えて

数ヵ月後にレジ袋の有料化が始まると知ったとき、私は「もらったレジ袋は絶対に捨てない」と心に決めた。有料になるものを、ポイポイ捨てる人の気持ちがわからない。

息子も娘もポイポイ派だ。コンビニでもらったレジ袋は、商品を取り出したらそのままゴミ箱へ。「まだきれいなのに捨てるなんてもったいない!」と、何度注意したことだろう。

しかし、2人がやめることはなかった。それどころか「セコい」とか「面倒くさいヤツ」とか、容赦なく私にレッテルを貼っていく。平成生まれの彼らにとっては、もらって当たり前。そもそもの価値観が違うのかもしれない。

かくいう私は、有料化が決まる前からマイバッグ派である。そのためレジ袋はさほど多く家に残っていなかった。そこでレジ袋を保管する袋を用意し、子どもたちに「ごみ箱に捨てるのではなく、ここに入れて」とお願いしてみることに。すると、捨てる場所が変わるだけなのですんなり聞き入れてくれた。

着々とたまっていくレジ袋。これで来る有料化も怖くない、と安心しきっていた。しかしある日、集めていたレジ袋がごっそりとなくなっているではないか。「ええっ! どこにいった。どこにある?」と声を上げて家じゅう探し回る私に娘がひと言。

「捨てた」
「なんで!?」
「いっぱいになってたから」

ショックを受ける私を前に、娘は「だって下のほうが汚くなっていたし……」と困惑気味。有料化は目前だ。こうなったら一時的にレジ袋派になるしかないのか。