コイは長寿のシンボルであり、めでたい魚である
じつは、コイは「川魚の長」と呼ばれている。
コイは立派なヒゲを持っている。そのヒゲから、コイは魚の長老とされたのだ。
鯉のぼりのイメージから、コイは若々しく未来ある若さの象徴のようにも思われがちだが、実際は違う。風格のある長老を表しているのだ。だからこそ、コイは長寿のシンボルとされた。そして、「めでたい」とされたのである。
竜は神格化された存在である。どんな魚でも竜門を登ることができるわけではない。
立派なヒゲを蓄えたコイだからこそ、竜門を登り、次のステージへと進むことができたのである。
※本稿は、『生き物が老いるということ――死と長寿の進化論』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
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どうして人間以外の生き物は若返ろうとしないのだろう?
イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを持つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命をつなぎながら、私たちの体は老いていくのである。人類はけっして強い生物ではないが、助け合い、そして年寄りの知恵を活かすことによって「長生き」を手に入れたのだ。老化という最強戦略の秘密に迫る。
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