ミニチュアピンシャーの「ピン」

沖縄のブリーダーさんの元から我が家へやってきたピンは、当日から激しい咳をしていました。そこで翌日には動物病院へ。ミニチュアピンシャーで「ピン」という名前は、あまりにも考えなさすぎだと思います。でも、まだ名前を決めていないときに、カルテに名前を書かなければならず、しかたなく「ピン」という名前になりました。

約2ヵ月も咳は止まらず、ブリーダーさんの元に一度、里帰りしたこともありました。「体調不良であるわけがない」「食欲がある内に一度、戻してほしい」と言うブリーダーさんに従ったのです。

咳の理由は、ホームシックだったと思われます。その証拠に、沖縄に里帰りしたときの動画では、ピンは洒落でもなんでもなく、ピンピンしていましたから。

(写真提供◎山田さん)

それからまた我が家に戻って来て、程なくして咳はおさまりました。そんな子でしたから、かわいくてかわいくて仕方がありません。どこに行くにもピンを連れていきましたし、ピンを迎えた後、私は一度も海外旅行をしていません。仕事もセーブして、ピン中心の毎日を送っていたものです。それぐらい溺愛していました。

ですが、10歳の誕生日を迎えた直後、悪性リンパ腫との診断を受け、「余命3ヵ月」と宣告されました。治療をするか否か、担当獣医師から聞かれ、迷わず治療を選んだ私。質問の意味は「治療費がかかりますけれど」だったことが後からわかりました。獣医師が明言しなかったので、その意味もわからず、金額にして250万円くらいかかったと思います。そこに後悔はないのですが、その判断が正しかったかどうかの答えはいまも出ていません。