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“いじめっ子”はすべての人のなかに存在している いじめっ子も変わる 自身の経験を踏まえて子供たちに伝えてきたこと
あの時に死に切れなくて本当によかった
まさか自分がテレビのなかで仕事をするとは

あの時に死に切れなくて本当によかった

身の危険を感じた時にその場から逃げ出すのは弱いからではありません。むしろ、命を大切にするという意味で最も賢明で勇敢な判断だと思います。だから、本当に辛い時にはなりふり構わずその場から逃げ出してください。

「本当に辛い時にはなりふり構わずその場から逃げ出してください」(写真提供:PhotoAC)

「絶対に自ら死を選択しないでください」という僕の意見は、母親が僕に言った「死ぬなんてもったいない」という言葉と同じ意味です。母親は同時に「いつか必ず状況はよくなる」と言いました。

最も辛かった時期にはそんなの嘘だと思っていましたが、時が経ち、中学生の頃になると母親の言葉どおりになっていました。

「辛かったら逃げてもいい」という僕の意見には「なんとか生き延びることを優先してください」という意味も込めています。

インタビューなどでも語っていますが、僕は小学校4年生のころ、「こんな嫌な思いをするくらいなら、もう死んじゃおう」って思い、マンションの最上階に行ったことがありました。

だけど、屋上のふちから下を覗き込んだとたんに、すっかり足元がすくんじゃって。膝なんか絵に描いたようにガクガクし始めて、逃げるように家に引き返したんです。

いま振り返れば、当時の僕は「踏みとどまった」ということではなくて「飛び降りられなかった」というか「ミッションが失敗に終わった」と思っていましたし、生きることを選んだというより、死に切れなかったと言ったほうが正確です。

当時はそのことで余計に辛くなりました。だけど、いま振り返ってみると、あの時に死に切れなくて本当によかったと思っています。

もしもあの時に死んでしまっていたら、その後に起きた楽しいことも嬉しいこともすべて経験できなかったわけですから。

母親が言ったとおり、死ぬなんて本当にもったいないことです。だから、絶対に自ら死を選択しないでください。