抱え込むのをやめ、「無理なく」にシフト

大病をしたものの、快復が早く、すぐ普通の生活に戻ることができて本当によかったです。今は2ヵ月に一度、定期検査に通い、薬の服用は続けているものの、問題なし。動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを増やさないよう、食生活を中心に気をつけています。

この出来事をきっかけに、少し考え方を変えたのも事実です。私は何でも一人で抱え込み、すべて自分でやらないと気がすまないタイプでした。しっかり者とよく言われましたが、それが自分を追い込むこともあった。

でも、「私が体を壊してしまったら、母はどうなるの?」と気づいて、もっと人に頼ることにしたのです。介護に疲れたら、ケアマネさんやデイサービスなどその道のプロの方の手を借り、悩みも聞いてもらう。認知症専門の先生にも相談する。

自分自身の体調については、少しでも「あれ?」と思うことがあれば、友人のドクターに、「だるくて、微熱があって……」とすぐに聞いてみる。みなさんに甘え、頼ることで、心も体もずいぶん楽になりました。

現在、母は要介護1で、週に5回、デイサービスに通っています。母のいないあいだは、私だけの時間。歌や舞台をよりよくするための準備や勉強に集中したり、あるいはお風呂でリラックスするなどして、《自分時間》を大いに楽しんでいます。それがリフレッシュにもなり、心の安定にもつながるのです。

母のショートステイは、私の仕事の日程に合わせて予約するなど、ケアマネさんと相談しながら計画。そのおかげで仕事に全力投球できるようになりました。以前はショートステイを嫌がっていた母も、仕事をする私がイキイキしているのを感じとっているのかな? 「今度は1週間行けばいいのね」と、すんなり受け入れてくれるようになりました。