がんという病気に試されている
がんになって、人生の答え合わせが始まった気がします。健康なときにどう生きていたかが、病後の人生に反映されるわけです。これまで自分の頭で考えて生きてきた人は、がんになってからも自分らしくいられるし、何も考えていなかった人は、ただ慌ててしまう。だから本当は、がんになってからでは遅いんですよ。僕たちは、がんという病気に試されているのかもしれないなあ。
妻とは病気のことも、この先のこともよく話します。残される妻や息子が凄絶な最期を見てトラウマにならないよう、スイスでの安楽死を考えていることも、すべて打ち明けているんです。妻も大変なはずですが、メンタルを保って寄り添ってくれているので本当にありがたいです。
残りの時間がどのぐらいあるのかわからないけど、まだ発信者として求められていることもあるし、息子の写真も撮り続けたい。忙しい日が続きます。これから何をしたいかと聞かれたら、もう十分なんですけどね(笑)。人間関係も整理して自分で選んだ家族と毎日を過ごしているので、今、とても生きやすいです。