脳の勘違いを利用して体表面温度を下げる

さて「音を聞いて心地よく、さらに涼しくなる」というのも正にASMR的に可能です。

そしてその涼しくなる音の代名詞と言えば「風鈴」でしょう。

ある人が風鈴をJapanese Natural Air Conditionerと言っていましたが、そよ風が吹くと「ちりん ちりん」となる風鈴の音。実はこれで涼を感じられるのは日本人だけです。

人の脳は、勘違いや思い込みによって末梢神経の活動に変化を与えることがわかっています。

風鈴が風に吹かれて「ちりん ちりん」と音を出しているのを聴くと、脳が、「風鈴の音が聞こえる=風が吹いてる=涼しい」と勘違いして、体表面温度が実際に下がるのです。

(写真提供◎photo AC)

ただしこれは、実際に「夏の暑い日に風が吹き風鈴の音が聞こえて涼しく感じた」という経験があるから起きる現象です。

日本人はそんな体験を子どものころから味わっているので、風鈴の音を聞くことで体温を下げられるのですが、外国の方はそういう経験をしていないので、風鈴の音だけ聞いても体温が下がりづらいのです。

むしろ、風が吹く度にチリンチリンチリンチリン鳴っている風鈴を、うるさく感じるかもしれません。