2021年12月、大分県別府市と九州大学の実証研究で、「温泉には特定の病気のリスクを下げる効果がある」と発表された。温泉入浴で腸内細菌が変化し、免疫力にいい影響を与えるというものだ。温泉の本質を知り、より効果的に入浴すれば、効果もUP!? 
また、旅に出られなくても、温泉の豆知識を得ることで、湯けむりに思を馳せ、癒しを感じることも…。消化器外科医・温泉療法専門医であり、海外も含め200カ所以上の温泉を巡ってきた著者が勧める、温泉の世界。安心して、どっぷりと浸かってみてください。
※本記事は『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(佐々木政一、中央新書ラクレ)の解説を再構成しています

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佐竹義隆
鶴の湯温泉(秋田県仙北市田沢湖田沢)

寛永15年(1638)に秋田藩の二代目藩主・佐竹義隆が「田沢の湯」(後に「鶴の湯温泉」と改称)に湯治に訪れている。義隆は久保田(秋田市)から角館に出て、田沢湖畔の潟尻から船で対岸の潟前に渡り、ここから馬で先達川を上り「田沢の湯」に到着した。

鶴の湯(写真提供:PhotoAC)

その後、藩の費用で温泉開発が行われ「佐竹の隠し湯」と呼ばれるようになった。

「本陣」と呼ばれる木造の門の左側に並ぶ茅葺き屋根の長屋は、藩主を警護する武士たちが詰めた所で、現在でも客室として使用されている。

秘湯マニアの温泉療法専門医が教える-心と体に効く温泉