この記事の目次
〈症状〉胸やけ、げっぷから胸やのどの痛みまで
〈原因〉胃の境界が加齢によってゆるむ
〈治療〉薬で効果がない場合は外科的手術も 〈予防〉腹八分目を心がけ、ストレスをためない

〈原因〉胃の境界が加齢によってゆるむ

食べ物を筋肉の蠕動(ぜんどう)運動で胃に運ぶのが食道です。胃は胃酸によって強い酸性になっていますが、食道との境界が開くのは、食道括約筋の働きで食べ物が通過する時だけ。ところがこの括約筋の働きが低下すると、胃液が逆流して食道のほうに上がってきます。中性である食道が胃酸によって炎症を起こしてただれてきたりすると、胸やけなどの症状が出ます。

食道と胃の境界がゆるむのは、加齢も大きな原因のひとつで、年を取ると胸やけが起こりやすくなります。食道は横隔膜を貫通しており、横隔膜の穴を食道裂孔と呼びます。食道裂孔ヘルニアという病気になると、腹圧で胃が横隔膜を越えて食道の側に上がってしまい、胃酸が逆流しやすくなるのです。脂の多い食事や甘い物は胃酸の分泌を高め、症状を悪化させる原因に。また胃潰瘍の原因になるピロリ菌を除菌すると、胃酸分泌が活発になって胸やけが起こることもあります。

 

食道と胃の構造