そのため親に送ってもらうほかなかったのだが、母は働きに出ていたし、時折無職になる父は機嫌のムラが酷く、機嫌の良い時しか送り迎えを頼めなかった。

夏休みは友達も「おばあちゃん家に行く」「家族と××に行く」とよく遠出した。その間遊ぶ相手もおらず、暇を持て余した。

一方うちは夏休みでもどこにも行かない。家族で旅行にいったこともない。
さらに、父方、母方の祖父母は私が3歳になる頃には3人が亡くなっており、唯一生存していた祖母も九州の離島にいて、ほとんど会ったことがなかった。

親戚づきあいと呼べるものがなかったのだ。

さらに、夏休みは給食もなくなる。
貧困家庭の子どもたちにとって、給食は貴重な栄養源だ。
家だとおかずは基本1品、多くて2品。
おやつもない。
給食は唯一のご馳走だった。
夏休みは給食が恋しかった。

給食は貴重な栄養源でありご馳走だった(写真提供◎photo AC)