唯一の居場所、公立の図書館

そんな私の唯一の居場所だったのが、公立の図書館だ。
といっても、実家のある校区には公共の施設は皆無。
車で20分ほどかけて市街地に行かなければ図書館はない。

市街地の中学に通うことになり、中学生の時から公立の図書館に通えるようになった。
その図書館は、自習が許可されていた。

図書館によっては自習を禁止していたり、禁止していなくても自習する人を目の敵にする人がいたりするという。

しかし、私の通っていた図書館は、十分なスペースがあり、席に余裕もあったためか、自習する学生が多く、それにとやかく言う人などいなかった。

正直、家では勉強する気力が全くおきない。

暑さで脳みそが溶けそうで頭が働かない。さらに、しょっちゅう激昂する父がいたため、極度の緊張状態が続いた。父の怒鳴り声がすると、体が震え、心臓がばくばくして勉強に全く手が付かなかった。
さらには家はとても汚く、勉強机もない。

小学生の時、私はいつも宿題をため、夏休みが明けてもほぼ手付かずで提出する科目もあり、担任の先生に呆れられていた。

本に触れる機会もなかったせいか、本を読むのも大嫌いだった。読書感想文を書くために学校の図書館で借りた本を無理矢理読もうとしたが、ページをめくるのが苦痛だった。