自分や家族を守る意味でも片づけを

ものを少なくしておけば、復旧が早いだけでなく、家の中の被害をある程度おさえることができると思います。逆にものが多ければ、倒れたものによる被害を受けたり、床に散乱してけがをしたり、さらにはドアにものが倒れることで開かなくなったりと、少なからず危険が生じます。

仙台ではよく「地震の後、ものが散乱した部屋を見て心が折れた」という声も耳にしました。

揺れが収まり恐怖から解放されたあと、目の前に広がる惨状。一瞬にしてめちゃめちゃな状況になるので、ショックと共に元に戻す労力を考えるようになり、確かに心が折れることもあるでしょう。実際、大きな地震のあと数か月しても「手つかずでそのままにしている部屋がある」という方もいたくらいです。

一方で、不要なものを手放していれば、地震のあと片づけも最小限にできるはずなので、危険を回避しつつ、元の生活に早く戻りやすい。

震災からしばらくしても、仙台では震度5クラスの地震が何度かありました。

そのたび、何人もの受講生から「ものを減らしていたので、落下したものはありませんでした」「予め片づけていたおかげで、被害が最小限に済みました。」「片づけておいて本当によかった、と家族から感謝されました」という連絡をもらいます。

いつどこで大きな地震が起きてもおかしくない日本。それもあり、自分や家族を守る意味でも片づけを意識し、普段から不要なものを減らす努力を続けることは大切だと思います。安心・安全な暮らしは、自分たちの手で作ることが出来るのです。