夢から覚めた私は、詮索ってどういう意味だろうと不思議に思いながら1日を過ごし、夜になって夫に電話すると、今日義母とも電話で話したと言う。
「母さん、栄太の死因が知りたくて今日霊媒師を予約してたんだって。だけど、朝、家を出ようと思ったら突然めまいがして出かけられなくて、断りの電話を入れたらしい。そうしたらめまいがピタッと治まったと言うんだ」
死後かなり時間が経っていて死因が特定できなかった息子のことを気に病んでいた義母。けれどエイちゃんは、そんなことは気にせず、みんなが集まった時に明るく自分の思い出話をしてほしかったのかもしれない。夢の中で詮索しないでと言われた意味がわかったような気がした。
大切にすべきは命日ではなく、生きている間の交流だ! 形式的な法要やお盆は嫌い、と思っていた私に毎年起こり続ける、地味だけどちょっぴり不思議なエイちゃんの命日の出来事。
死後の世界はあるのか、魂は死後も存在するのか、自分がこの世を去った時にしか答えはわからないけれど、命日は死者にとって自分が存在していたことを思い出してほしい大切な日なのかもしれない。
今年もエイちゃんの命日が近づいてくる。きっとまた、何かしらの形で知らせてくれるだろう。なぜかほんわか温かい気持ちになれるエイちゃんの存在。死後の世界を信じたいと思う私だった。