2020年の新語・流行語大賞にノミネートした「第4次韓流ブーム」。ブームの背景には、すっかり日本でも定着した韓国ドラマの存在があります。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作を持つ作家の康熙奉さんによれば、韓国ドラマを彩る男優たちにはファンから愛されるだけの背景を持ち合わせていると言います。たとえば社会現象となった『梨泰院(イテウォン)クラス』で主役を務めたパク・ソジュンの魅力とは――。
社会現象となった『梨泰院クラス』
2020年1月31日から韓国JTBCで放送された『梨泰院クラス』は、社会現象を巻き起こすほどの注目を集めた。
ドラマが成功する原動力になっていたのは、パク・ソジュンが扮するパク・セロイのキャラクターだ。彼は絶対に妥協できない頑固者だ。
話はパク・セロイが高校生のときにさかのぼる。
彼は、転校した初日にひどいいじめを目撃する。いじめていたのは外食産業の巨大企業チャンガ・グループの御曹司で、先生も見ないふりだった。それをいいことに、御曹司のいじめはひどくなる一方だった。
見かねたパク・セロイが必死に止めたのだが、相手が聞こうとしなかったので手を出してしまった。
御曹司の父親であるチャン・デヒ会長が立場を利用して校長室にやってきて、パク・セロイに土下座を要求した。彼が会長を務めるチャンガ・グループにはパク・セロイの父親が勤務していて、その父親も同席させられた。