毎日の一言が安心につながる
以前はきょうだいで大阪の帝塚山に住んでいましたが、歌江姉ちゃんが結婚して別に住むようになり、その後、私も北千里の団地に引っ越して結婚生活が始まりました。しばらくして、今住んでいる土地が売り出されて抽選に当たったんです。それで照枝姉ちゃんにも勧めたら、うまいこと一軒先の土地の抽選に当たって。お互いここに住んで半世紀。そばに公園があって、静かないい場所です。
今は、照枝姉ちゃんの家を朝晩2回のぞくのが日課。顔を出して「大丈夫?」って聞くと、「いちいちうるさいな」と怒られるんで、「変わりない?」って聞くことにしてます。(笑)
姉はよく転倒するから、それが怖いんです。5、6年前かな、近くのホテルでこけてね。去年は玄関で倒れてはって、一人で起き上がれなくて。今年も家で顔を怪我したみたい。転倒が心配で一人で買い物にも行かないので、家に行った時に内緒で冷蔵庫の食べ物が揃っているか点検しているんです。
最近は料理もしないから、毎日夕食のおかずを1品だけ持って行ってます。野菜炒めや焼肉、素麺など何でも。同じのを2人分作るだけやから負担になりません。同じものが続くと「何これ」と言われるから、気を使いながらね。それが頭を使うことになっていいな、と思うてます。
ただ、姉の夕食は14時半からなんですよ。『相棒』ってドラマが大好きで、それを観ながらウイスキーを飲んで食事したいの。前は17時に一緒に食べてたけど、だんだん早くなってきてね。さすがにつき合えへんから、姉は毎日温かいもの食べて、私は冷たいのを食べてます。(笑)
姉のとこに1日でも行かなかったら、普段は外に出ないのに「花江ちゃん、どしたん?」と言うてうちをのぞいてくれはるし、心丈夫です。それに、私にとって毎日、「姉のとこに行かないと」と思う気持ちも大事。気になって仕方がないんです。いつも無駄な会話はせず「ほな、何かあったら電話ちょうだいね」って同じこと言って帰るだけやけど、その一言がお互いの安心につながってる気がします。