簡単に解決できない悩みをとにかく周囲に言い続ける人、その正体とはーー(写真提供:Photo AC)
「社会的な成功こそが正義」といった価値観も見え隠れする現在の日本。YouTubeの心霊系チャンネルが登録者数20万人を超える「視えすぎ芸人」シークエンスはやともさんいわく「そうした価値観が強くなりすぎた結果、自分を失った一見“いい人”が生まれ、結果としてまわりの人を傷つけている」と言います。たとえば、簡単に解決できない悩みを周囲に言い続ける人はその典型だそうで――。

「悩み」は小さくなるほど解決できない

「コロナってヤバいよね」

「コロナが怖い」

と、口にしたことはありませんか? 

もちろん、広がり始めたばかりの頃なら未知のウイルスに対して、不安を抱くのは当然だったとはいえ、今も何かにつけて口にしている人は「この困難な状況への打開策を見つけたい」と考えているわけでもなく、ただ言いたいから言い続けているだけのようにも見えます。繰り返して騒いだところで、ウイルスが消滅するわけでもないのに。

これは誰にでも言えて、周りの全員で共有できて、でもなかなか解決できない共通の大きな悩みの一例ですが、ただ、こうした大きな悩みにある種助けられている人は多いはずです。

それは同じことを言い合うことで心の支えになり、誰かと繋がっていることが確認できるからです。ある意味、正論を言った時と似た気持ちよさを感じます。

ところが、小さな悩みになるほど、この悩みはきっと誰にも理解できないだろう、言っても無駄だ、解決できないだろう、という思考になってしまう。

他人に話しても馬鹿にされそうなほど小さなことで、私は悩んでいる……そんなふうにどんどん一人で自分を追い込んで、中にはもしかしたら命を絶ってしまう人もいるかもしれません。

これは、昔『松本紳助』というトーク番組で、島田紳助師匠が話していたことです。

「悩みは、小さいから解決できない」

と言っていたことに、僕は激しく納得しました。