慎重に検討を

筆者は、今後インフレが進む可能性が高いことを前提に本稿を書いていますし、読者のみなさんも何らかの形でインフレの可能性について意識しているはずです。

継続的に物価が上がれば、確実に金利も上昇しますから、変動金利でローンを組んだ場合、将来、ローンの支払額が増える可能性があるとの推測が成り立ちます。いっぽう、いつの時点で物価がいくらになり、その時に金利が何%になるのかを正確に予想することは不可能です。

もし年収が高い、あるいは共働きなどで収入源が多い、または預貯金がたくさんあるなど、経済的に余裕がある世帯であれば、仮にローンの支払額が増えても、対処できる確率が高くなります。

【図表】首都圏、新築マンション平均販売価格の推移

いっぽう、経済的に余裕がない世帯の場合、想定以上に金利が上がってしまうと対処のしようがありません。

ですから、多少の支払額増加なら十分に対処できる、余裕のある世帯は変動金利でも構わないと思いますが、収支がギリギリという世帯の場合、安全性を考えると固定にしたほうがよいでしょう。このあたりは非常に難しい決断を迫られますから、慎重に検討を進めてください。