襲名披露の最初の演目として、歌舞伎座で行われる11月・12月の興行では、『勧進帳』『助六由縁江戸桜』など、成田屋ゆかりの人気演目が並ぶ。團十郎に襲名後、初めて迎える新年の公演に、自らの手で企画・製作を行った『SANEMORI』を選んだことに対する気持ちも明かした。

「戦後、祖父である十一代目團十郎、父である十二代目團十郎は、古典の中で生きていた時代が多かった。その中で、十一代目、十二代目も新しいことに挑戦している。例えば、祖父が手掛けた大佛次郎先生脚本のお芝居も、あの当時にしてみれば、すごい新しいことなんですよね。新しいことに挑戦することを忘れずに、海老蔵の時だけでなく、『團十郎としても、そういうことをやっていきます』という所信表明として捉えていただければ」(海老蔵)

「でも、土台はやはり古典や歌舞伎十八番。團十郎としてやらなくてはいけない仕事が多いことは分かっています。新しいことに注力するわけではなく、(『SANEMORI』公演後に)日本全国津々浦々回らせていただく際も、古典中心の予定です。(もちろん、土台となる部分を)忘れてはいない」と、自身の歌舞伎に対する姿勢を語った。

急な配役にびっくり!?

3年前の公演では3役を務めた海老蔵は、今回1役になり、内容も前回と異なる。

「内容は変わり、私は実盛の1役の予定です。前回、私がやっていた義賢は、平家が優勢の中、劣勢である源氏のため白旗を守り抜く役どころです。旗印(当時は大事なもの)を守り続けることを一番最初にやったのが、木曽義仲と血のつながった義賢。それを今回は…宮舘くんできるかな? 宮舘くんが急遽、『義賢やりたいです』ということで、お譲りしようかなと」
(海老蔵)

源義賢は、前回の公演で宮舘が務めた源義仲の父親である。今回も義仲を演じる予定の宮舘だが、もし2役となれば、親子の役を1人で演じることに。海老蔵自身が演じていた義賢を、今回は宮舘にやってもらうと発言したが、宮舘本人は寝耳に水だったらしく…「早急にお稽古の方を始めたいと思います」と驚いた様子を見せた。

「3年前は、ジャニーズJr.としてご一緒させていただきましたが、そこからデビューし、色々なことを経験しました。(Snow Manの)メンバーにも、『頑張ってね』、『絶対見に行くからね』って言われながら、今こうして記者会見の場に立たせていただいている。(そして2役も知る…)心境はもう『頑張ります』としか」(宮舘)

今回の出演をメンバーに伝えた際には、宮舘がもともと歌舞伎や時代劇に触れたいという思いを知っていたため、「よかったね」と声をかけてもらったという。