ジャニーズと歌舞伎
海老蔵は今までもジャニーズと多数共演しているが、皆に共通していることは「真面目さ」だという。中学や高校で(ジャニーズJr.と)一緒だった際、ダンスや歌のレッスン、コンサートのバックダンサーと、ハードスケジュールをこなす姿を見てきた。そんな生活の中で人間性が育ち、多くのファンを魅了する理由を感じたとのこと。
前回の公演時、稽古、初日、千秋楽へと向かっていく宮舘を見て、伝統や古典に向き合う姿勢に感心したという。
「今の若い方々にはあまり見ないような真っ直ぐな(姿勢)。妥協も手抜きもない。自分に甘いなんてことも微塵もない。自分と向き合う姿勢は、稽古の時に素晴らしいなと感じました」
「でもそれ故に、緊張や固定観念、“こうしなくちゃいけない”っていうものも、同時にあったと思います。束縛されてしまい、難しいことになる。そんな戦っている宮舘さんを、僕はずっと稽古中見ていました。『そうじゃなくていいんだよ』ってアドバイスしようと思いましたが、それを経験する方が絶対いいと思ったので、まず言わなかったです」(海老蔵)
真正面から歌舞伎に挑む宮舘の姿に触れ、あえて今までアドバイスしなかったことを明かした。それに対して宮舘は、「感情がぐちゃぐちゃですよ。2役を今聞いて、成長も見守ってくださって。嬉しさもあり、今後の課題も見つかるかなという気持ちです」と真剣な眼差しで記者に語った。
そんな親心をもって接する海老蔵は、宮舘に望むことを聞かれると、以下のように答えた。
「望むものとか期待するものって、私ではなく、お客様が求めるもの。デビューして3年、宮舘さんには宮舘さんのやり方がある。おこがましいので、そんなこと言えません」
それを踏まえた上で、「歌舞伎を経験した、宮舘さんのような方が時代劇に挑戦することで、文化が継承されていき、可能性が広がる。つまり、この公演で(何か)望むというよりも、(公演を)経験した上で、自身のやりたいことの振れ幅が大きくなることを、期待したいと思います。(宮舘に)時代劇の役がくるといいですね。その時は逆に私を使っていただいて(笑)。よろしくお願いいたします」と、未来に対する希望も述べた。