「私、76歳の今が人生で一番楽しいんです」(撮影:浅井佳代子)
現在発売中の『婦人公論』2022年11月号の表紙は、歌手で女優の中尾ミエさん。76歳の今が人生で一番楽しいんです、と言い切る中尾さん。自分に過度な期待はせず、「今日も無駄なく過ごせた」と思えることこそが、何よりの幸せだと語ります。そんな中尾さんの人生後半の過ごし方とは……。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。
(撮影=浅井佳代子 構成=平林理恵)

10年後の「最高に楽しい自分」を見据えて

決してカッコつけてるわけではないのですが、私、76歳の今が人生で一番楽しいんです。

もともと昔のことはきれいさっぱり忘れてしまう性格で、昔はよかったと懐かしがることもなければ、過去の失敗を引きずることもない。私のなかにあるのは、今の自分と10年くらい先の未来だけなの。

「10年」と区切ったのは、それくらいならまだ元気に過ごせそうだから。

人生100年時代といっても、最期まで好きなことを自由にできるわけではないでしょう。だから、10年後の「最高に楽しい自分」を見据えて生活しているんです。