こりゃ帰りにドラッグストアに寄らなくちゃ

だが、そろそろ決めなければならない。仕事環境を整えるのは満足のいく結果を得るうえでも必要だし、来期に先送りするより今期でカタをつけるのが「正しいお金の使い方」なのだから。

パソコンを開いてパソコンを検索する。馬鹿馬鹿しい気持ちになる。どれを見ても、なにがなんだかわからない。興味がないからだ。いま使っている動作不良が否めないパソコンを、どういう基準で買ったかも記憶にない。あ、そうだ。これは当時の男が詳しかったから丸投げしたんだった。

次に、机を見る。こんな大きなものを新たに買いたくない、という思いが最初に湧き上がる。ちなみに、自宅のソファやサイドテーブルやベッドはすべて実家から持ってきたものだ。私が子どもの頃から家にあった。コーヒーテーブルは小さすぎて、よく物が落ちる。新調したほうがよいと思いながら、捨てるのも忍びないとそのままにしている。

ああ、思い出した。私は捨てるのも苦手だった。自宅にある物品の半分は不用品だもの。気分が鬱々としてきた。こりゃ帰りにドラッグストアに寄らなくちゃ。


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年齢を重ねただけで、誰もがしなやかな大人の女になれるわけじゃない。思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。「私の私による私のためのオバさん宣言」「ありもの恨み」……疲れた心にじんわりしみるエッセイ66篇