料理で取り入れやすい菌とは

次に、料理で取り入れやすい菌について詳しく見ていきましょう。

まずは乳酸菌とビフィズス菌。乳酸菌は、キムチや漬物に含まれる植物性乳酸菌と、チーズやヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌に分けられますが、いずれも小腸で乳酸を作り、腸内を酸性に保って悪玉菌を抑える働きが。一方、ビフィズス菌は大腸で乳酸と酢酸を作り、腸内環境を整えてくれます。

乳酸菌は300種以上あると言われるほど種類が豊富。スーパーの棚にも、さまざまなヨーグルトが並んでいますよね。実は、菌には相性があって、人によって合うものが違います。ですから、2週間ほど続けて食べてみて体調の変化を観察したうえで、自分に合ったものを選びましょう。

続いて、納豆に多く含まれる納豆菌。納豆菌が作る酵素=ナットウキナーゼは、血液をサラサラにする働きがあると言われています。しかも納豆そのものに食物繊維が含まれているので、菌活に適した食品。

納豆菌は高温にも低温にも強く、熱を通しても死にません。また胃酸などにも負けないため、生きたまま腸に届きます。その特性を生かして、納豆チャーハンや納豆オムレツなどもいいですね。

最近、長寿や免疫との関係で注目されているのが酪酸菌。この酪酸菌を多く含んでいるのが、ぬか漬です。ただし、そのまま食べようとしても、量に限度があるし、塩分も心配。刻んでタルタルソースに入れるなど、調味料として使うと手軽に取り入れられます。

麹菌はカビの一種で、醤油や味噌など、発酵調味料を作る際に欠かせない菌。日本酒や酢の醸造にも使われます。麹菌から作られる麹には、タンパク質を分解する働きがあるため、肉や魚などを漬けておくとやわらかくなり、旨味がアップ。またビタミンB群や、脂肪を分解するリパーゼなどの酵素が含まれており、健康や美容の強い味方となってくれます。

麹菌を効率よく摂るには、米麹を使った甘酒や、塩麹を上手に活用したいもの。とくに甘酒は「飲む点滴」とも言われており、夏の間に消耗した体力を回復させるためにも、ぜひ取り入れましょう。