食事で効率よく菌を摂るには、どのような食材を使えばよいのでしょうか?管理栄養士兼料理研究家としてメディアで活躍する金丸絵里加さんが、おいしくて体にいいメニューを提案します(構成=篠藤ゆり イラスト=フジマツミキ)
死んだ菌も腸内の善玉菌のエサになる
食の面から見ても、腸内環境をよくすることは重要。なぜなら腸内がよい状態でないと、せっかく摂った栄養素もうまく吸収できないからです。
腸内には人間にとっていい働きをする「善玉菌」と、健康に悪影響があると言われる「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌」があり、種類ごとに固まって「腸内フローラ」を形成しています。
善玉菌と悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスは2:1:7。ですが、この状態は日々摂取する食べ物によって変わります。
そこで取り入れたいのが、さまざまな菌を含んだ食材。食材に含まれる菌には、乳酸菌や納豆菌、酪酸菌、麹菌などがありますが、腸内の菌にまんべんなく影響を与えるために、一つに限定せず、何種類もの菌を摂りましょう。
菌の多くは、加熱や胃酸によって死んでしまいますが、死んだ菌も無駄ではありません。腸内の善玉菌のエサになるからです。
もし菌を生きたまま取り入れたければ、調理方法に工夫をしましょう。なるべく加熱を避け、サラダのドレッシングにしたり、肉や魚を彩るソースにしたり。調味料代わりにするのがおすすめです。
メニューを考える際には、菌を含む食材と食物繊維を組み合わせるのがベスト。善玉菌のエサになる食物繊維は、腸内フローラを整える力強い味方になってくれます。
中でも不足しがちな水溶性食物繊維を積極的に摂りたいところ。代表的な食材は、キノコ、海藻、アボカド、オクラ、ごぼう、モロヘイヤ、キウイなどです。これらと菌を含む食材の組み合わせは、「菌活」の黄金コンビと言ってもいいかもしれません。