価格破壊のあとに残ったもの

振り返ってみると、バブル崩壊から価格破壊に至る時期は異様な時代でした。飲食業界に限らず、多くの業界の大半の企業が安売りに血ち 眼まなこになり、自らを傷つけました。そうしないと生き残れないと誰もが追いつめられていました。タコが自分の足を食べるのと同じです。

安売り競争はハンバーガーチェーン業界に大きな傷跡を残しました。負の遺産です。

マクドナルドを筆頭に、そのブランドイメージを自ら大きく傷つけ、二十数年を経たいまも、そこから抜け出せずにいます。

安売り競争を主導したマクドナルドは、2001年にはデフレ時代の勝ち組ともてはやされましたが、わずか1年後、ハンバーガーを同社史上最安値の59円で販売した2002年には創業後初めての赤字に転落しました。

2005年に100円、2013年には120円に値上げしましたが、2015年には再び100円に値下げせざるを得ませんでした。2022年現在の価格は税込みで130円です。