2022年11月2日のNHK『あさイチ』特集は『どうする?実家の片づけ』。近年「親片」という言葉もメジャーになるほど、話題になっている一方、苦労している人も多いようです。片付けは災害への備えになる、と語った実家片付けアドバイザー・渡部亜矢さんの記事を再配信します。


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いつどこで起こるかわからない自然災害。いざというときのために家を安全に整えておくことは、毎日の暮らしやすさにもつながります。実家片付けアドバイザーとしてたくさんの高齢者の自宅を見てきた渡部亜矢さんが、各部屋の「防災につながる片づけ」のポイントを解説します(構成◎吉川明子 イラスト◎堀川直子)

危険な家の特徴は

家を整理しようと思っても、腰が重くてなかなか行動に移せない、片づけが苦手できれいな状態を維持できない、という声をよく耳にします。そんな人におすすめしたいのが、自然災害などから身を守る「防災」の視点を加えた片づけです。

私はこれまで実家片づけアドバイザーとしてたくさんの高齢者のお宅を拝見してきましたが、多くの場合、モノが溢れて雑然としています。そんな家で地震が起きれば、床に散らかる荷物につまずいて転倒しかねません。さらに、積み上げた荷物が崩れでもすれば、避難経路がふさがれ命の危険をもたらすことも大いに考えられます。

体力が徐々に衰え、同居家族が減っていく老後の生活では、地震や台風などの自然災害に備え、モノを減らして普段から安心できる環境をつくっておくことが必須。つまり、防災を意識しながら家の中を整理することで、モノの要・不要を判断し、安全かつ快適に暮らせるようになるのです。