11月18日放送の『ラジオ深夜便』に科学者の中村桂子さんが出演。「生きものらしく自然体で老いる」をテーマにご自身の歩んできた道のりについて語りました。そこで中村さんがその人生でたどり着いた考えについて記し、反響を博した記事を今回再配信いたします。
*****生命誌研究者でJT生命誌研究館名誉館長を務める中村桂子さん。1936年生まれの中村さんは科学者としてレジェンド的な存在ですが、長く生命について研究してきた先で、人間も「生きもの」だから、自然の摂理に素直になるべきという考えに辿りついたそうです。最近ではバカボンのパパの有名なセリフ「これでいいのだ」をよく使うようになったとのことで――。
*****生命誌研究者でJT生命誌研究館名誉館長を務める中村桂子さん。1936年生まれの中村さんは科学者としてレジェンド的な存在ですが、長く生命について研究してきた先で、人間も「生きもの」だから、自然の摂理に素直になるべきという考えに辿りついたそうです。最近ではバカボンのパパの有名なセリフ「これでいいのだ」をよく使うようになったとのことで――。
周囲で起きることが引き算に
ある年齢を過ぎると、周囲で起きることが引き算になっていきます。
まず両親に始まって、頼りにしていた先生や先輩が次々亡くなっていきます。
私はどうにも頼りない人間なので、年上の人たちに教えていただくことばかりで暮らしてきました。頼りないのも悪くないと思うのは、そういう人を見ると誰もがちょっと手伝ってやろうという気になるのでしょう。子どもの頃から今に至るまでずっと、よい先生、親切な先輩の中で過ごしてきました。
そういう方たちが亡くなってしまうのはなんとも悲しいですし残念ですが、そこで出来上がった人間関係の実感はそんなに簡単に消えるものではありません。