「落ち葉掃き」が好きな理由

生きものの研究という仕事柄、自然から離れた暮らし方は苦手で、東京という高層ビルの建ち並ぶ街の中でも緑が多い場所で暮らしています。

中村さんのお庭の片隅にあるコンポスト。枯葉を集めて自然の肥料を作っています(写真:本社写真部)

ただ、自然とは面倒なもので、いつも変化していますし、手入れが必要です。ちょっとお洒落に園芸というとカッコよいですが、庭での作業のほとんどは草取りと落ち葉掃きです。

イメージでは落ち葉は秋のものですよね。越路吹雪(こしじふぶき)さんが歌うシャンソンの『枯葉』をよく聞きましたけれど、木枯らしが吹いていました。でも実際は、葉っぱって一年中落ちてくるもので、真夏の暑さの中でも落ち葉掃きは「必要不可欠作業」です。

ありがたいことに、私はこの作業が嫌いではありません。お天気のよい休日は、作業用のオーバーオールを着て長靴をはき、軍手をはめていざ出陣です。

草取りも落ち葉掃きも、何も考えずに端からきれいにしていけばよいので、今日はここをきれいにしようと決めたら面倒なことはありません。しかも、やれば必ずきれいになるので、やったーという達成感を味わえます。仕事で達成感を得るのはなかなか難しいものですが、この仕事はすっきりできて好きです。