上級貴族はどう昇進していくのか
左大将、右大将というのは、貴族が任じられる武官の最高峰、左近衛大将、右近衛大将のことです。これはご存じですね。定員はそれぞれ一名です。
ここで上級貴族の典型的な昇進コースを書いておくと、彼はまず武官としてキャリアをスタートさせます。
右少将⇒左少将⇒右中将⇒左中将
ここで、天皇の身の回りの世話(政務も含めて)をする蔵人の長である“蔵人頭”を兼任します。これを頭中将と言います。源氏物語に光源氏のライバル、良き友人として出てきますね。
なお蔵人頭は定員2名。この役職に就くと、現在の閣議を区政する大臣に相当する「議政官」への確実なステップになります。
具体的にいうと、議政官のもっとも下位の官職が参議。定員8名。この職にあきが生じると、蔵人頭2名のうち、どちらかがその欠を埋めるのです。
それから、参議になると、一流の貴族である「公卿」の仲間入りをします。それで、その後は
蔵人頭⇒参議⇒中納言⇒大納言
と昇り、そこからいよいよ定員一名ずつの大臣に。
大納言⇒内大臣⇒右大臣⇒左大臣⇒太政大臣
太政大臣が最高位で、位人臣を極めた、ということになります。