漫画家としてデビュー以来、ずっと多忙で不摂生な日々を送ってきたという一条ゆかりさん。72歳のいまは、緑内障や腱鞘炎のケアもしつつ、自分を最大限に喜ばせる健康法を取り入れている。(構成=上田恵子 撮影=宮崎貢司)
姉から緑内障検査を促されて
1968年に雑誌でデビューしてから半世紀。長きにわたる漫画家生活は充実していましたが、4年前の50周年を機に、ストーリー漫画を描くことから卒業しました。いまはエッセイを書いたり、たまにイラストを描いたりしています。
昔は夜遅くまで原稿を描いて昼まで寝て、という昼夜逆転状態でした。お酒とたばこが大好きだったし、人とおしゃべりをするのも好きでよく飲みに行っていましたね。
漫画家としてならその生活で問題ありませんが、いまはたいして忙しくないのに昼過ぎまで寝ていたら、ただのだらしない人になってしまう。ですから禁煙・禁酒をして規則正しい生活に切り替えています。
職業柄、目や手を酷使し続けてきました。まずは目。学生時代2.0あった視力が、漫画を描き出して1年ほどで、0.7まで落ちてしまったんです。その後もどんどん悪くなって、いまは0.3くらい。途中からは乱視と老眼も加わり、白内障にもなりました。
なかでも深刻なのが緑内障です。一足先に緑内障を発症した姉からは、「あなたも検査を受けなさいね!」と強く言われていました。仕方なく近所の眼科に行ってみたところ、「ちょっと眼圧が高いね。目薬を出すから、なくなったらまた来なさい」と言われて。自分の感覚では見えづらくもなく痛みなどの症状もなかったので、2~3ヵ月ぶんの目薬を半年かけて使い切ったあとは放置していました。