自分を楽しませるのは自分

2019年、そして今年と『ピピン』というミュージカルに出演したんです。劇中で歌う歌詞の中に自分の年齢を言うところがあるわけ。

3年前の初演時は73歳だったので、そう歌ったんですけど、今回はもちろん76歳になったのでそう歌いました。
するとね「76歳」と歌うだけで拍手が来るようになったのよ。(笑)

自分は何も変わってなくても、周りがそこに何かを感じてくれる。そう考えると、歳を取ることも悪くないし、その意味を感じもします。

来年で喜寿。考えたら、そうなんですよね。でも、だからこそ、来年1月のドラマ『三千円の使いかた』では77歳のおばあちゃんの役をいただけましたし、それもまた楽しい。なんてったってね、自分の人生ですから。自分を楽しませるのも自分なんだから。

ドラマ『三千円の使いかた』で主人公の祖母・御厨琴子を演じる(写真提供◎東海テレビ)

一つ一つが人生最後のチャンスかもしれないけど、だからこそやってみる価値があると思うんです。うまくいけば、そのエネルギーを10年くらい引きずって先まで頑張れるかもしれないしね(笑)。そんな思いを持って、私も進んでいけたらなと思っています。

■中尾ミエ(なかお みえ)

1946年6月6日生まれ。福岡県出身。ワタナベエンターテインメント所属。62年に「可愛いベイビー」でデビューし大ヒット。伊東ゆかり、園まりとともに「スパーク3人娘」を結成し、一躍トップスターに。歌の世界のみならず、女優として数々のドラマ、映画、舞台に出演。歯に衣着せぬトークにも定評があり、バラエティー番組にも多数出演する。TOKYO MX『5時に夢中!』金曜コメンテーターとしてレギュラー出演中。2019年には73歳で週刊誌のグラビアを飾る。著書『76歳。今日も良日 年をとるほど楽しくなる70代の心得帖』を先月上梓した。