小さな希望を見つける物語

これは、小さな希望を見つける物語でもあります。みんなで暗闇を乗り越えるエピソードとして、私自身も経験した北海道胆振東部地震のことも書きました。大規模な停電が発生したあの地震では、道民みんなが被災者になりました。

私が暮らす地域では、地震の直後から停電に。すぐに復旧するだろうと思いましたが、停電地域はさらに広がっていきました。真っ暗な中、いたずらにスマートフォンのバッテリーばかりが減っていき、何をしていいかわからない。ただ夜明けを待つしかない。当時を思い出しながら、希望の光を待ちわびる気持ちを描きました。

学生時代は確かな友情を築くことができませんでしたが、大人になってからは素敵な友達に恵まれました。あるイベントに着物姿で出席する際、着付けをしてくれた女性がそのひとり。

見識が深く、たまに会っておしゃべりすると「この人が友達で良かった」としみじみ実感します。出会いに年齢は関係ありません。いくつになっても、一生の友達はできると気づくことができました。

友達の尊さを知った今も、友情への興味は尽きません。来年は『水底のスピカ』と同じ高校を舞台にした友情小説を、もう一作書く予定です。現実は大変なことばかりですが、これからも人生や世界を肯定するような小説を書き続けていきたいです。