たった三代で滅んでしまった頼朝の直系
第45回となる『八幡宮の階段』では、ついに”鎌倉最大の悲劇”源実朝(柿澤勇人さん)暗殺事件が描かれました。
泰時(坂口健太郎さん)が鶴岡八幡宮の警固をする中、門弟と共に木の陰に潜む二代目鎌倉殿である頼家の子・公暁(寛一郎さん)。一方で儀式を見守る側には、今後の鎌倉と自身の命運を賭して、状況を静観する義時(小栗旬さん)と時房(瀬戸康史さん)、そして三浦義村(山本耕史さん)が。
式を終えて出てきた実朝を公卿と源仲章(生田斗真さん)が迎えて整列すると、牡丹雪が降り積もる中、公暁が飛び出し、仲章を殺害。続けて公暁は実朝のもとへ。
実朝は一旦小刀を抜くも、歩き巫女から聞いていた「天命に逆らうな」という言葉に何かを覚悟し、そのまま逆らうことなく、公暁に斬り殺されてしまいました。
なぜ源氏は頼朝、頼家、実朝の三代で滅びてしまったのでしょうか?
このことを考えるなら、頼朝本人が失敗したわけではないのですが、彼が、自分自身と将軍の歴史における役割をどのように考えていたのか、という点が焦点になってきます。
頼朝は病気で亡くなります。その跡を継いだ二代頼家は、政争の果てに将軍の地位を剥奪されて、伊豆の修善寺に押し込められる。そして暗殺されます。三代目の実朝は、兄の失脚を受けて将軍になりますが、彼も暗殺されてしまいました。
なぜ頼家は失脚したのか。なぜ実朝は殺されたのか。
頼家の場合は、恐らく北条氏にとって彼の存在が邪魔だった。言ってしまえば単なる北条氏の都合であり、もし違う勢力が権力を握っていれば、頼家が将軍のままで問題なかったかもしれない。
しかし実朝が殺された理由としては、「京都との距離」という武士の政権の根幹に関わる問題がありました。つまり彼は、京都と近くなり過ぎてしまったのかもしれません。