僕を丸ごと受け入れてくれた妻
それでも、書道教室の生徒さんはじわじわ増えて、僕が「面白そう」と始めたストリート書道が話題になり、テレビに出始めてからは100人を超え、5年後くらいに300人で満席になりました。妻がお月謝など事務的なことを手伝ってくれて、本当に助かりましたね。
結婚した当初もお互いの関係がギクシャクし、何度も妻に泣かれてしまいました。とはいえ、なにせ「他人の気持ちがわからない」僕ですから、妻がなぜ泣いているのか、その理由がまったくわからない。そこで、僕の書道教室に通っていた通算1000人以上の生徒さんたちから「ダンナのグチ」や「妻の本音」をヒアリングして、女心を必死に研究したおかげで、なぜ妻の機嫌が悪いのかということも、今ではほぼわかるようになりました。
子どもが産まれてから、妻の方も僕に家事や育児を分担させると家庭が余計に混乱するとわかったようで、あるときから「家事も育児も、中途半端に手伝わなくていい」ということに。それ以来、お互いがラクになりましたね。
もちろん、妻から「お皿を出して」とか「ゴミを出して」と言われたら喜んでやりますけど、それも1年に数回レベルの話です(笑)。それ以外の家事はすべて妻まかせ。現在、長男(高2)、長女(中2)、次男(小2)の3人の子どもたちの世話も妻が頼りです。
僕は、子どもと一緒にワイワイ遊ぶのは得意なんですが、学校からのおたよりをチェックしたり、遠足の費用をいつまでに振込まなきゃいけないというような細かいことはいっさい頭に入らない。8年前くらいでしょうか、そんな僕の性格を理解してくれて、僕という人間を妻が丸ごと受け入れてくれたときから、夫婦の関係もどんどん良くなってきたように思います。