妻が経理担当でよかった

お金のことに関しても、妻は本当に堅実で、今は僕の会社の経理を担当してもらっています。1着の服を何年も大事に着て、高価なバッグやアクセサリーも買いません。結婚10周年のときに、「せっかくだから、ブランドもののバッグをプレゼントさせてほしい」と、2人でデパートに行ったんです。

そのときも、「こんな高いもの、絶対に要らない」と、頑なに拒む妻を、「とにかく、俺に何か買わせてくれ!」と壁ドンの姿勢で説得し(笑)、ようやくうなずいてもらえたのが3000円のネックレスでした。

「無駄なお金はいっさい使いたくない」と言う妻ですが、僕が「アメリカにアトリエが欲しい」と言ったときには、一軒家を購入する費用を快く出してくれた。妻曰く、僕や子どもたちにやりたいことができたとき、そのために必要なお金を貯めておきたいから無駄遣いはしたくないのだ、と。  

そのおかげで、中3で不登校になった長男が、「アメリカの高校に留学したい」と言ったときも、彼の夢を即座に叶えてあげることができました。長男がアメリカに渡ったとき、僕は寂しくて泣いちゃいましたけどね。(笑)

アメリカで購入したアトリエでの制作風景(提供◎武田さん)

自分の両親がそうだったように、僕も自分の子どもたちに対して「こうなってほしい」という理想や期待を抱くことは今まで1回もありません。子どもたちが、毎日、元気に生きてくれているだけで素晴らしい! それが、僕にとっては何より感動的なことなんですよ。