普通なら配慮に感謝するはずなのに

このように、おおげさに騒ぐことで難を逃れようとする傾向が認められたため、人事部でも問題になった。しかし、誰も厳しく注意できなかった。Eさんが心療内科を受診して、「抑うつ状態」で「配慮を要する」と記載された診断書をもらってきたからだ。

しかも、その後、2度休職したため、私とも相談のうえ、あまり負荷のかかる仕事はしばらくさせないという方針が決まった。

Eさんが診断書をもらってきたため、負荷のかかる仕事はしばらくさせないという方針が決まった(写真提供:Photo AC)

Eさんは対人接触が苦手なので、お客様対応が必要な仕事ではストレスを感じるのではないかと配慮して、対人接触のない文書作成の仕事を彼にやらせることにした。普通なら、こうした配慮に感謝してもおかしくない。

ところが、文書作成という単純作業が我慢できなかったのか、今度は「自分はこんな仕事をするためにこの会社に入ったわけではない。契約社員の女の子がやっているような仕事を押しつけられ、上司にキャリアをつぶされた」と騒ぎ立てた。

しかも、直属の上司の悪口を周りに言いふらしただけでなく、さらにその上の上司に「不当な扱いを受けた」と訴えた。