「528ヘルツにつつまれる」

この日のコンサートでは、約200名の観客を前に、10月にリリースしたオリジナルアルバム『INORI』から11曲を披露。

大きな十字架を前にした厳かな雰囲気の会場は、ピアノなど、すべての楽器が528ヘルツに調律されている。座席横にもそれぞれその周波数の音が出るスピーカーが置かれ、まさに「528ヘルツにつつまれる」状態。

コロナ禍が始まって以来、まったくコンサートもできなかった。還暦も過ぎ、一度は「引退」の二文字もよぎったというヒビノさん。しかし、たっぷりと時間のある中で音楽と再び向き合うことで、「世界の人を自分の歌で笑顔にしたい」と思い直したという。

今作はそんな想いの詰まった、全曲オリジナルのアルバムだ。

『INORI』を手に笑顔のヒビノさん

「コンサートをする際はすべての楽器を548ヘルツに調律し、お返しするときにまた元に戻さないといけないので、結構重労働なんです。それに、せっかくつくった曲も、眠ってしまって最後まで聴いていただけないことも。でも、僕のコンサートでは遠慮なく爆睡していただければ嬉しいです」と笑う。ヒビノさんの人柄がしのばれる笑顔にも癒された。

交感神経がオンになるニュースが多かった2022年。連日熱戦の続くFIFAワールドカップで睡眠が乱れている人も多いだろう。師走の慌しさのなか、自分を癒し、良質な睡眠を得るために、528ヘルツを取り入れてみるのもいいかもしれない。