仕事の機会を与える際にしばしばいわれるのが、男女の体力差に関する問題です。すなわち「体力的な面からすれば女性は、男性と同じように徹夜や力仕事などができるわけではない、だから差がつくのは仕方ない」といった考え方です。

しかし、男性も長時間労働で健康を損います。今は科学技術の発展で、あらゆる分野で機械化が進み、男性でもほとんど力仕事を求められる場はなくなってきており、そういう意味での性差は小さくなってきています。

持続的に注意深く仕事をする持久力は女性の方が高いくらいです。営業という仕事でいえば、むしろ女性の方がコミュニケーションに優れていて成績がよいという例も多数あります。この現実を企業はしっかり認識するべきだと思います。

 

会社でも家でも、思いこみを押し付けない

女性管理職や女性役員でもう一つ課題となるのが、結婚・妊娠・出産といったライフイベントです。

現在では、育児休業や時短勤務などの制度は充実している企業が増えているものの、「子どもを持ったら育児優先にし、仕事は二の次にする」と思っている女性は多く、それによって「女性が使いにくい」と会社側から思われがちなのも事実です。

それは、父親、つまり男性は育児に向いていないというアンコンシャス・バイアスがあり、母親である女性だけが育児をすべきだと思いこんでいるからです。