社会全体が負担する覚悟を持つ
育児を父親が分担せずに母親だけに任せているので出生率が低いのだ、という研究もあります。女性も一生、時短や育休をするわけではありません。40年ほど働くうちのほんの数年のことです。
子育ては、会社や同僚も含めた社会全体が負担する覚悟を持つべきだと思います。もちろん、サポートをしてもらう女性も、これを当然の権利だとは思わずに「ありがとう」と感謝することが、マナーとして必要でしょう。
昨今言われているワーク・ライフ・バランスの観点で言えば、そもそも「家事、育児は女性はやるべきもの」といった古い常識も、「子持ちの女性は、男性並みに働けない」「女性は働いても収入が低い」という思い込みから派生したものではないかと思います。
もし、女性が高いポストについて高い収入が得られたら、家事や育児、不得意なことも、誰かに助けてもらうことができるでしょう。戦前の中流家庭ではお手伝いさんが家事を助けていました。
「家のことは、たとえ不得意であっても全部女性である自分がやらなきゃいけない」なんていう思い込みはやめましょう。男性もそういう思い込みを女性に押し付けるのはやめましょう。
そして、得意ではない仕事、時間が足りない仕事は人を頼ってもよいのです。実際に私も、保育所や母や友人に助けてもらい、仕事をしながら子育ての期間を乗り越えてきました。
※本稿は、『思い込みにとらわれない生き方』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
『思い込みにとらわれない生き方』(著:坂東 眞理子/ポプラ社)
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