勝つ人がいれば、負ける人がいる
私は四つ相撲が好きなのだが、突き押しが得意の力士が、対戦相手を突き出した後、または、もう一押しするつもりで、手をあげたままにするポーズが好きだ。一瞬ではあるが、大栄翔は5日目に豊昇龍を突き倒した時に、このポーズをした。
今場所ではないが、貴景勝の美しいこのポーズを見たことがある。私はこれを「勝利の余韻のポーズ」と名付けている。テレビの前に立ち、このポーズを真似て、しばらくうっとりとしている。人間として変だろうか?自分でも少し心配になることがある。
勝つ人がいれば、負ける人がいる。それが勝負の世界だが、中日に関脇・正代は2勝6敗となり、関脇で10勝すれば大関に戻れるという夢は消えた。正代は足が痛いのか気にしているが、このままでは勝ち越しも危ない。
先場所、関脇で10勝できず大関に復帰できなかった前頭2枚目・御嶽海は、3勝5敗だ。
期待をうらぎっているのは、大関に一番近いと言われていた関脇・若隆景で4勝4敗。
若隆景は負けて帰る花道も、キリリとした顔立ちで、姿も筋肉質でカッコイイので、そこからテレビを見た人は、「若隆景、勝ったぞ」と思ってしまう。対戦前の蹲踞(そんきょ)もカッコイイので、見ている方は勝てると思い込んでしまう。誤解されやすいから、力を取り戻して、早く大関になってほしい。
初場所は十両にも注目。元大関の十両12枚目・朝乃山ひとりが8戦全勝。元大関だからと、誰もが挑戦するつもりで当たってきて、ヒヤリとする時もあるが、優勝して、早く幕内に戻ってきてほしいものだ。