才能や個性がないのを言い訳にするな

自分には才能がないんじゃないか――。

若者の多くが、一度は持つ悩みです。音楽に限らず、演劇だろうと学問だろうと、「夢」と対峙する時、そう思う人は多いでしょう。そこで悩んでいる人たちにも俺は言いたい。

才能や個性がないなんて簡単に言うな。

それを、夢を諦める口実にするな。

「才能がない」「個性が足りない」。そう気付いた時は、夢があなたの本気度を試している時に違いありません。

俺もピンチの時に、何度も試されました。そこで、いつも夢を叶える道を選び、諦めなかった。だからこそ、今も歌い続けていられる。

もちろん、世の中には、才能に恵まれた人がいます。類まれなる美貌や美声、または明晰な頭脳とか、他の人にはない要素があれば、それはラッキーです。それを使うだけで生きていくことができるかもしれない。しかしアニソン界を見渡す限り、そんな天賦の才だけでやってきている人はいないと俺は思う。

たとえば、俺の歌を聴いてほしい。アニソンファンなら、2秒も聞けば、俺の声とアニキの声の区別がつくはずです。それは、まったく違う個性の声だから。

しかも、その声は、決して天性のものだけで出来上がった声ではありません。何十年もの間、少しでも多く歌える場を求めて、歌いに歌って、磨きに磨いて、作り上げた声です。

ブラジル公演にて。会場を埋めつくす人、人、人(写真:『ゴールをぶっ壊せ』より)

アニキだって、堀江さんだって、いさおさんだって、今、第一線で活躍しているアニソンシンガーたちの声は、ほとんど全部、そうやって自分の手で作り上げてきたものなんです。