大切なのは「スモールステップ」
どんなアクションにしろ、職業生活を直接変える力があるアクションには大きな労力がかかる。時間も必要になるし、お金も必要になるかもしれない。周囲を説得しないといけないかもしれない。実行までのハードルが高いからこそ、稀少性が高く効果が直接的であるとも言えよう。
では、若者がキャリアを変えるためにはどうすれば良いのか。立ちすくむ若者を変える可能性があるファクターは、「小さな行動(キャリアを直接変えるような大きなアクションとは別に、日常に潜んでいる活動)」によってそのハードルを越える前の準備をすることだと考えられる。
確かに、会社を横断した活動をしたり、副業をしたり、様々なコミュニティで行動したりといった「越境すること(社外で勉強会を企画した、企業横断のコミュニティに参加した等)」のような大きなアクションは、目に見える行動であり、耳目を引きやすい。さらに、その行動の内容は、SNSのプロフィールに書けるし、職務経歴書にも書けるかもしれない。
しかし、若手社会人のキャリア形成について行った調査の結果が示唆しているのは、そうした耳目を引くような行動だけにキャリアを変える力があるのではなく、その前の目立たない助走のような小さな行動に、実は大きな力があるという事実だった。
行動をするかどうかはもちろん重要であるが、「小さく段階を刻むような行動ができるかできないか」が若者の鍵となっている。この小さな段階を刻むような行動を、「スモールステップ」と呼びたい。