「わたし、宝塚になる!」と宣言

私が宝塚を意識したのは小学2年生。当時住んでいた名古屋で、安奈淳さんと榛名由梨さんの「ベルサイユのばら」を見たときからです。世の中にはこんなに華麗できらびやかな世界があるのかと衝撃を受け、「わたし、宝塚になる!」と周りに宣言しました。「宝塚に入る」ではなく「宝塚になる」ですから、もう体全体で宝塚そのものになりたがっていたんですね(笑)。中学3年になって受験できる年齢になり、1回目で合格しました。「宝塚になりたい」私ですから、落ちるなんてまったく考えていなかったです。(笑)

入学してみたら、世間知らずの15歳、今にして思えば純粋で(笑)、ただ上級生に怒られないように、ひたすらついていくのに必死でした。

音楽学校を卒業して、男役「矢吹翔」として舞台に立ってからは、自分がどうすれば舞台で映えるか、どうメイクすれば遠くからでもきれいに見えるか、ということをいつも考えていました。2期下の和央ようかさんとは仲良しで、年がら年中メイクの話をしていました。「いつまでも宝塚メイクじゃなくて、もっとナチュラルでもよくない?」とか…(笑)。いろいろチャレンジもしました。あのころからタカラジェンヌのメイクが少しずつ変わってきたんじゃないかと自負してるんです。