貧困と嗜好の問題、混ぜるな危険

バイトしてお金を貯めればいいなんていう人もいるけど、実家の援助なしで奨学金とアルバイトで大学に通うだけでも精一杯。レンタル代を学業に回すとか回さないとかではなく、そもそもそんなお金はないのだ。

それに振袖を着ている人は普通に大学にも通い、そのうえでレンタルもしている人も多いのだから、お金の使い道どうこうではなく、根本的に生まれ育った家庭の経済状況の話だろう。

写真提供◎AC

最近のニュースを見ても、貧困ゆえに選べない、または一見本人の選択に見えても、実は低賃金などの理由から消極的選択をしている場合を、あたかも価値観の多様化、嗜好の問題に見せ、すり替えている、またはごっちゃにしているものをよく見る。

例えば何度もメディアがしつこく報道している「風呂なし物件あえて選ぶ若者」というのもその最たる例だろう。
貧困と嗜好の問題、混ぜるな危険である。

本当はもっと所得があがればとるであろう選択肢があったことは無視して、主体的に選んでいる、という印象操作をするのはかなり悪質だ。
今、賃金は上がらずに電気代や物価は爆上がりする中、生活が苦しくなっている人は大勢いるだろう。