加工食品=短期的には誰も損しない
加工食品の恐ろしいところは、短期的には誰も損をしないことです。農家は大量に買ってくれるので儲かる、加工食品会社は原価よりも高く売れて儲かる、消費者はひと口目はそこそこおいしいものが安価に手に入るということで、三者の利害ががっちり一致しているからこそ、ここまで普及しました。
ところが、最も損をしているのは実は消費者なのです。加工食品は消費者に対して、中長期的には健康リスクを増大させます。特に肥満が増えることで、生活習慣病が増えるのです。
また、加工食品にはどういうジレンマがあるかというと、食べるカロリーの割に栄養価が少ないのです。つまり、十分な栄養価を得ようとするとカロリーが増大します。一方、カロリーを抑えようとすると、十分な栄養が摂れなくなります。
そして私たちは残念ながら、食欲を抑えられるようにできていません。加工食品をどんなに食べてもなかなか自分に必要な栄養が得られないので、体は必要な栄養を補うためにも、どんどんと食べたくなります。
自分が食べている量の割に痩せない、あるいは太っていくと感じている人は、間違いなく加工食品あるいは非常に糖質や脂質が多い外食の虜になっているはずです。
さらに問題なのが、低脂肪や、低糖を謳った加工食品は、実際にはさほどヘルシーではないものが多いということです。
これらは全てカラクリがありまして、低脂肪の場合は砂糖を増やして、低糖の場合は脂肪を増やしておいしくしたりして、味をごまかしています。まあ、それには理由があって、そうしないと消費者がおいしいと思わないので売れないのです。
このような形で加工食品や糖質、脂質が多い外食を続けると、中年の頃にはメタボになります。そして前期・後期高齢者になる頃には、心臓病、脳卒中、糖尿病、関節痛などに悩まされ始めます。
そうなっても残念ながら私たちは食生活を改めようとせず、近所の医者に行って大量に薬をもらい、毎日コレステロールを抑えたり、血圧を低くしたりする薬や、糖尿病の薬を飲んだりして、社会コストの増大を招いているのです。