「別世界の人」と自分を比較しない

なかには、いくら考えてもまったく目標が思い浮かばない、手放さなければならない不要なものも特にないという人もいるでしょう。もちろん、それはそれでいいのです。「家族がいて、住む家があって、健康だから言うことなし」という人は、すでに十分幸せで、運がいい証拠! 今の暮らしをできるだけ長く続けて、毎日を楽しんでいきましょう。

みなさんは気づいていないかもしれませんが、そもそも、人間に生まれただけでもすごく運がいい。人から煙たがられるハエや蚊に生まれていたら…… (笑)。現代の日本に生まれたことも、かなりラッキーです。

医療が発達した時代に生まれた僕たちは、よほどのことがない限り、風邪を引いて死ぬことはありません。食べものがなく飢えに苦しみ餓死することも少ないでしょう。平和で毎日のんびりと普通に暮らせているだけでも、幸運だと思いませんか。

そんな恵まれた時代に生きているにもかかわらず、「運が悪い」と感じる人が多いのは、情報が多すぎることが原因かもしれませんね。

ツイッターやインスタグラムなどのSNSを見れば、ハリウッドスターや石油王など富豪の暮らしだって簡単に覗ける。そんな「別世界の人」と自分の暮らしを比較して、「自分は運が悪い」と、心がモヤモヤしてしまうのは当然のことです。

けれど、よく考えてみてください。パーティ三昧の毎日や、豪華なホテルに泊まって好きなだけシャンパンを開けるような生活が、本当にあなたの望んでいる幸せなのでしょうか。

「身のほどを知る」という言葉があるように、自分の人生とかけ離れすぎた目標を設定してしまうのはつらいだけ。いくら努力したところで、そこに行きつく道が存在していないからです。それでは、生きるのがどんどんつらくなって負のスパイラルにおちいっていく一方。

そうではなく、自分の日常生活の延長線上に小さな幸せを見つけて、そこに到達するための行動を正しく積み重ねていけば、誰でも運のいい人になれるのです。幸運の芽は自分自身の中にある。まず、そのことに気づいて、その芽をどう育てていこうかと考えることが、「運のいい人」になる第一歩だと言えるでしょう。