演技よりも素の面白さ
坂上忍は、「バラエティは即興劇」であり、「アドリブ芝居」だと語っていた。そのベースにあるのは、すべては演技だというとらえ方である。
一見交わらないドラマとバラエティも、演技の一環ということで結びつく。
実際、坂上忍、そしてこちらも「即興劇が好き」と言う杉田かおるも、大人の年齢になってからではあるが、“毒舌キャラ”を完璧に演じることによってバラエティの世界で成功した。
それに対し、三宅恵介や明石家さんまは、素の部分の面白さを子役に対して求めたと言えるだろう。
もちろん子役は純然たる素人の子どもに比べれば場慣れしているだろうが、そのうえで三宅やさんまは、演技よりも素の面白さを発揮できそうな子役を選んだ。
それは、子役の歴史における大きな価値観の転換に結びつくひとつの出来事だったと思える。