自己主張する子役
“自己主張する子役”として、後藤久美子や宮沢りえなどがいる。安達祐実もまた、同じ系譜に属するだろう。だがそこには、違いもある。
後藤久美子や宮沢りえの自己主張は、キャラクターとしてのものだった。むろん演じている部分もあったには違いない。
だがその場合も、元々の本人の個性に根差したものであったはずだ。
それに対し、安達祐実の自己主張は、いうまでもなくドラマ、すなわちフィクションのなかの役柄としてのものだった。孤独ではあるが、誰にも頼らない。頼れるのは自分だけ。
時には周囲を敵に回すこともある。そんな役柄は、安達祐実本人とは基本的に切り離して考えるべきものだ。
しかしそれゆえに、安達祐実が子役の歴史に及ぼした影響は、ある意味後藤久美子や宮沢りえよりも大きかったと言える。