「子役のその後」問題
だが、子役と呼ばれる年齢を過ぎると、将来の問題を避けるわけにはいかなくなった。10代後半には水着グラビアにも挑戦し、大人の雰囲気をアピールした。
また20代になると、本業の俳優でも問題が出てきた。童顔であることもあって、演じられる役柄の幅が狭まってしまった。容姿の面から母親役を演じるわけにもいかず、高校生役を演じるには無理がある。
結局、俳優としての仕事が思うようにいかなくなった(『ORICON NEWS』2020年3月12日付け記事、および『Yahoo!ニュース』2018年2月25日付け記事)。
こうした「子役のその後」問題、つまり子役のままで終わらずにいかにして俳優を続けるかという問題が、昔から子役につきものであったことはいうまでもない。
そして、子役から大人の俳優に脱皮することができず別の道へ進むケースも珍しくない。
安達祐実の場合は、その突出した演技力を武器に遊女役など多彩な役柄を巧みに演じることで、再び俳優として活躍する道が開けた。いまや、押しも押されもせぬ演技派俳優である。
ところが、興味深いことに、安達祐実のような歴史に残る「天才子役」もぶつかってきた「子役のその後」問題は、2000年代になるとそれ自体徐々に消えていったように見える。